【医師監修】AGAの見分け方~6つのポイント&セルフチェックリスト~
薄毛や抜け毛が気になり始めると、AGAの発症を疑う方は多いはずです。実際、40代以降の男性の約3分の1はAGAを発症していると言われているので、AGAになること自体は珍しいことではありません。
ただし、抜け毛の原因が必ずしもAGAというわけでなく、別の症状である可能性もあります。また、症状によって対策も異なります。
そこで今回は、AGAの見分け方について解説します。自分の薄毛がAGAかどうかを見分けるための6つのポイントをはじめ、AGAセルフチェックリストも紹介します。AGAの発症が疑われる方はぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
千原 良友
ノリス美容クリニック院長
奈良県立医科大学卒業。泌尿器科医として臨床に従事する傍ら、南カリフォルニア大学、国立がん研究センター研究所等でエピジェネティクス、幹細胞の研究に従事。令和4年にはノリス美容クリニックを開設し、幹細胞の知識を生かした肌再生医療に取り込んでいる。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
AGAかどうかを見分ける6つのポイント
AGAかどうかを見分けるポイントは、以下の6つです。
・抜け毛の量
・抜け毛の状態
・生え際の状態
・つむじの状態
・頭皮の状態
・家系(遺伝)
ポイント① 抜け毛の量
髪の毛にはヘアサイクルがあり、成長期を終えると自然に抜けます。
そのため、抜け毛は通常でも1日50本~100本程度はあるものの、それ以上であればAGAを発症している可能性があります。もちろん、AGAではない別の薄毛症状である可能性もありますが、どちらにせよ薄毛が進行している可能性が考えられます。
なお、抜け毛の量を毎日確認するのは難しいので、何となく抜け毛が多い気がする方はその時点で専門の医療機関、クリニックに相談することをおすすめします。
ポイント② 抜け毛の状態
抜け毛の量だけでなく、状態もチェックポイントの一つです。通常の抜け毛はしっかりと太いのに対して、AGAを発症している方の抜け毛は細く、短いという特徴が挙げられます。これは先述したヘアサイクルにおいて、成長しきる前に抜け落ちてしまっているからです。
また、AGAを発症している方の抜け毛は髪が十分に成長する前の段階で抜けてしまっているので、毛根に膨らみがない、毛根がべたついている、毛根が真っ黒というのも特徴として挙げられます。
ポイント③ 生え際の状態
AGAを発症している方の特徴の一つに、生え際の後退が挙げられます。生え際の状態をチェックする方法は、正面と側面の2種類あります。
正面からのチェック方法は、生え際が見えるように前髪を上げて、眉の上に中指、薬指、小指の3本を揃えて横向きにセット。中指と生え際の間隔が広い方は生え際が後退している可能性があります。ただし、もともと額が広い方もいるため、あくまでも目安です。
また側面からのチェック方法は、頭頂部から垂直に下した直線と生え際から垂直に下した直線の間隔が2cm以下の場合、生え際が後退している可能性があります。生え際がもみあげのラインよりも後頭部寄りである場合も同様です。
生え際の後退に関しては判断が難しいので、昔の写真があるならば、見比べてみるのもいいでしょう。
生え際の見極め方については「AGAによる生え際の後退は回復する?勘違いも多い「M字ハゲ」の基準も紹介」で詳しく解説しています。
ポイント④ つむじの状態
つむじはげもAGAの初期症状の一つ。しかし、つむじの状態は自分では確認しにくいため気付かないままに症状が進んでしまうケースが多いので注意が必要です。また、つむじを確認したとしても、つむじはげであるかどうかを見分けるのは容易ではありません。
つむじ周辺の頭皮が透けて見える場合はもちろんのこと、以下のような特徴がある場合はつむじはげである可能性が高いです。
・つむじ周辺の頭皮が「赤いor茶色い」
・つむじ周辺の髪の毛が「細いor短い」
・つむじの毛流れがはっきりしていない
つむじはげの基準については「【医師監修】つむじはげの基準ってどこから?見分け方や改善対策を解説」で詳しく解説しています。
ポイント⑤ 頭皮の状態
AGAを発症すると、頭皮の皮脂分泌が活発になるため、ベタついたり、毛穴がつまったりします。頭皮のかゆみやベタつき、においなどが気になる場合は注意しましょう。
また、頭皮が硬い方も注意が必要です。血行が悪く、毛が成長しにくい状態になっている可能性があるからです。その場合は日常的に頭皮全体をマッサージすることをおすすめします。
ポイント⑥ 家系(遺伝)
AGAの原因の多くは親からの遺伝です。そのため父方、母方の家系に薄毛の人がいるかどうかは大事なポイントとなります。
とくに、母方の家系に薄毛の人がいる場合はAGA発症率が約8割ともいわれています。親戚の中にAGAを発症している人がいないかどうかはチェックしましょう。
薄毛=AGAではない~その他の症状との見分け方~
前章でAGAかどうかを見分けるポイントを紹介しましたが、そのポイントに当てはまったからといって必ずしもAGAというわけではありません。薄毛を招く症状はAGA以外にもあるからです。
AGA以外の代表的な薄毛の症状は、以下の2つです。
・脂漏性皮膚炎
・円形脱毛症
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、頭皮や生え際といった皮脂分泌が盛んな部分で起こる湿疹のことであり、フケのようなものを伴った赤みが生じるのが特徴です。軽いかゆみが生じることもあります。
AGAと脂漏性皮膚炎の見分け方としては、AGAは短い髪の毛が抜け落ちるのに対して、脂漏性皮膚炎は比較的長い髪の毛が抜け落ちることが挙げられます。また、AGAは生え際や頭頂部から脱毛しますが、脂漏性皮膚炎は湿疹が起きた場所から脱毛します。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、その名の通り円形や楕円形に髪の毛が抜ける脱毛症です。「10円ハゲ」とも呼ばれ、局所的に生じるのが特徴です。
AGAとの見分け方としては、AGAが長い年月をかけて徐々に髪の毛が抜けていくのに対して、円形脱毛症は短期間で一気に髪の毛が抜け落ちることが挙げられます。また、先述したようにAGAは生え際や頭頂部から脱毛しますが、円形脱毛症は局所的に抜け毛が生じます。脂漏性皮膚炎と比べると、AGAとの見極めは容易といえるでしょう。
なお、脂漏性皮膚炎、円形脱毛症による脱毛はAGA治療薬では改善が見込めないので、これらの症状が疑われる場合は皮膚科へ相談しましょう。
AGA発症の要因となる5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の見分け方
AGAは「1型」「2型」と分類されることがありますが、これはAGA発症の要因となる5αリダクターゼの種類のことを指します。
5αリダクターゼとは栄養素を身体の隅々に行き渡らせる代謝酵素の1つであり、人間の体にはなくてはならない物質です。しかし、5αリダクターゼは男性ホルモンの1種である「テストステロン」と結合して、AGAの原因となる「DHT(ジヒドロテストステロン)」を生成する作用があります。
つまり、5αリダクターゼが活性化するとAGAを発症するリスクが高くなるのです。
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の違い
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型5αリダクターゼはほぼ全身の皮脂腺に存在し、頭皮では側頭部や後頭部に多く存在しています。一方でⅡ型5αリダクターゼは、前頭部や頭頂部、脇、髭、陰部などの毛乳頭に多く存在しています。
そして、Ⅰ型よりもⅡ型の5αリダクターゼの方がAGA発症に大きく影響すると考えられています。
5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型が多い可能性がある人
全身的に皮脂量が多く、ニキビができやすい方はⅠ型5αリダクターゼ、全身の体毛が濃い方はⅡ型5αリダクターゼの量が多い可能性があるとよくいわれます。
しかし、上記の見分け方はあくまでも目安であるため、確実に見分けたい場合は専門医に相談しましょう。
AGAセルフチェックリスト
最後に、ここまでの内容をまとめた「AGAセルフチェックリスト」を作成しましたので紹介します。
以下のチェックリストに多く該当する方はAGAを発症している可能性が高いので、AGAクリニックに相談することをおすすめします。
なお、AGAは遺伝以外にも生活習慣やストレスが原因で発症するケースもあります。以下のチェックリストに多く当てはまる方は自力で薄毛を改善できる可能性がありますので、まずは生活習慣の乱れやストレスを解消することをおすすめです。
自力で薄毛を解消する方法については「薄毛は自力で治せる?本気で治すときに活用したいチェックリスト」で詳しく解説しています。
また、ストレスと抜け毛の関係については「【図解】ストレスで抜け毛が増える理由と治すために必要なアクション」で詳しく解説しています。
AGA治療ならオンライン診療がおすすめ
AGAのオンライン診療とは、文字通り、オンラインでAGAの診察・診断を受けられるサービスです。生え際の後退は自身で判断するのが難しいため、気軽に専門医に相談できるオンライン診療がおすすめです。
AGAのオンライン診療は相談だけでも受け付けており、初診は無料のクリニックも多いので、ぜひご検討ください。